近大マグロの奇跡: 完全養殖成功への32年
林 宏樹 (著)
登録情報
文庫: 234ページ
出版社: 新潮社 (2013/11/28)
言語: 日本語
ISBN-10: 4101279616
ISBN-13: 978-4101279619
発売日: 2013/11/28
商品パッケージの寸法: 15 x 10.6 x 1 cm
内容(「BOOK」データベースより)
漁獲量激減、生態はほぼ不明。
絶滅間近とも囁かれる、天然クロマグロ争奪戦に見えた一筋の光明。
それがクロマグロの産卵と成長のサイクルを人工的に管理する「完全養殖」だ。
自らを魚飼いとよぶ熊井英水所長(当時)率いる近畿大学水産研究所の研究チームが、
建学の精神そのままに実学を極め、最高難度の養殖技術を確立するまでの苦闘の日々に迫る。
(Amazonより
漁師をしている知り合いがいる。
買い物はどんなに高額でもすべて現金払いを徹底してるそうだ。
本人曰く、漁師という仕事はある意味ギャンブルで農業のように安定がないからだそうだ。
漁獲が安定しない。
ならば養殖となるが、それもできるものとできないものがある。
マグロはながく養殖が不可能と言われてきた。
本書によると近畿大学水産研究所の前進、大阪理工学大学付属白浜臨海研究所は
昭和23年に開設。
「戦後の食糧不足中にあり陸上の作物だけでは不十分、土地と同じよう海を耕し海産物を豊かに」
という思いからはじまった。
昭和45年には水産庁の国家プロジェクトになって本格的にはじまった。
当時マグロは完全養殖はもちろん、稚魚から成魚に育てたという記録もなかった。
幼魚のヨコワをとり、いけすに活け込まなくてはならない。
西の皆さんにはもうすでにおなじみになってるかもしれない近大マグロは
いまから45年前から研究がはじまって、紆余曲折などと言ってはもうしわけないくらい
実にさまざまな問題をクリアしながら今がある。
文章がさらりとしているせいか一気に読みやすく「ふーん」で終わってしまいそうだが
ふとページを繰る指を止めて考えるとものすごい。
地元の最初の一年はヨコワが全滅
漁師に相談しても「無理」と相手にされず。
ヨコワの捕獲と養殖が安定するも10年間産卵はなし。
その後12年間産卵がない。
プロジェクトリーダーだった原田氏の急死。
困難しかない状況でもあきらめない、という気持ちはどこからくるのだろうか。
携わった人々のあきらめなかった気持ちがあって、いまこの養殖マグロがある。
ありきたりな言葉だが、45年間続けたすごさがある本だと思う。
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