キャベツ炒めに捧ぐ
井上荒野(著)
お惣菜専門店に行ったことがないのです。
なのでイメージします。
ケーキ屋さんのガラスケースの中、
それがケーキではなくお惣菜で満たされてる情景。
グラム売りをしてくれ、季節の野菜やお魚が調理されている。
最近はやりの料理からおふくろの味まで。
だいたい6種類くらい。
美味しそう…!
ここまで想像出来たらだいじょうぶ。
本書をお薦めします。
食べることが大好きならなお結構。
そんなお惣菜やにて働く女性三人のお話です。
ただし妙齢の、女性ではありません。
60.61.58。
おばさん三人です。
離婚し、再婚している元夫の家に頻繁に通う江子。
ずっと一途に思い続ける(でも仕事中はむっつり)の麻津子
夫に先立たれた郁子
それぞれが大人の事情を抱えながらもお惣菜やで働く。
この三人は年齢的には若くはないですが
それでも自分の人生を生きて、その中に恋愛がある
(ひともいます)
好きだけど別れたつらさ、亡くしてしまったかなしみ、好きだから歩み寄れないこわさ
三人三様、人生のしんどさもあったり。
キーマンになるお米屋さんの配達アルバイトくん。
彼をかまい倒す(時々本気)のは
幼いころ親戚のおばさんにかまわれたのを思い出しました。
また料理のシーンは、主婦?ならではの数や試行錯誤を積み重ねた経験こそのメニュー作り、
ちょっとした工夫の数々は食べてみたい!の連続です。
ごくあたりまえに年を重ねて
それぞれに大なり小なりのしんどさがあって生きている。
そんなふつうがおもしろい一冊でした。
登録情報
文庫: 229ページ
出版社: 角川春樹事務所 (2014/8/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 4758438412
ISBN-13: 978-4758438414
発売日: 2014/8/9
梱包サイズ: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
内容紹介
「コロッケ」「キャベツ炒め」「豆ごはん」「鯵フライ」
「白菜とリンゴとチーズと胡桃のサラダ」
「ひじき煮」「茸の混ぜごはん」・・・・・・
東京の私鉄沿線のささやかな商店街にある「ここ家」のお惣菜は、
とびっきり美味しい。
にぎやかなオーナーの江子にむっつりの麻津子と内省的な郁子、
大人の事情をたっぷり抱えた3人で切り盛りしている。
彼女たちの愛しい人生を、幸福な記憶を、
切ない想いを、季節の食べ物とともに描いた話題作、遂に文庫化。
(Amazonより
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