PSYCHO-PASS サイコパス (上)(下)
深見 真 (著)
登録情報
文庫: 346ページ
出版社: KADOKAWA/角川書店 (2014/8/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4041020352
ISBN-13: 978-4041020357
発売日: 2014/8/23
商品パッケージの寸法: 15 x 10.6 x 1.8 cm
内容(「BOOK」データベースより)
西暦2112年。
人間の心理・性格的傾向を数値化し、
犯罪係数が上昇すると“潜在犯”として捕らえられるようになった世界。
システムを維持するために集められた刑事たち―
潜在犯でありながら捜査の前線に立つ猟犬“執行官”と、
キャリアであり執行官の手綱を握る“監視官”。
新人監視官・常守朱は特殊拳銃“ドミネーター”を手に現場を駆ける。
本書には、朱たちに立ちはだかる男・槇島聖護の内面が垣間見える追加シーンも加筆。
(Amazonより
※情報は上巻のみ記載しております
アニメーションの小説版である。
珍しいことにアニメーションをまったく見ておらず、読み終えた後の今も見ていない。
単に一気見をする時間が諸事情でとれないのと、本作品が十分に読みごたえがあったからである。
人間の心理、性格傾向を数値化することが可能になった世界。
街も人もホログラムで彩られ、ドローンやロボットが掃除やらなにやらをしてくれる。
仕事も結婚相手もシステムが自分にあったものをみつけてくれる。
NHKが2015年正月に放送した「ネクストワールド」のような世界。
果たしてこれは幸せと言えるのだろうか。
このシステムから外れた人々を保護、もしくは処分するために動く公安局の人々の物語である。
注目したのは今この時代に刑事という職を行い、
それがシステム、シビュラシステムに移行しつつある時代に翻弄された初老の執行官「征陸 智巳」(まさおかともみ)。
彼は刑事という仕事に誇りを持っていたからこそ、シビュラシステムによって犯罪係数が上昇、
「潜在犯」という犯罪者予備軍となってしまった。
これに該当すると本人は保護施設に収容、その家族はいわれなき差別をうけてしまう。
今まで自分がやってきたことが犯罪に直結するなど誰も思わないだろう。
しかしシステムがすべてであるこの世界では当たり前になっている。
またこのシステムが反映されない人がまれにいる。
キーパーソンである「槙島 聖護」(まきしま しょうご)だ。
彼はこのシステム上において普通の一般人である。
しかしどんなタブーを犯しても、それが殺人であっても真横にある警備ドローンに通報されない。
このシステムに支配された世界で、それに認識されないのは生きていない、もしくは一人で生きてるのと何ら変わりはない。
彼はさまざまな犯罪にかかわりながら、古いもう誰にも見向きもされない本を読む。
その時々選んだ本に彼は何を見ていたのだろうか。
システムを使うのは人間である。
しかし選択を、考えるのをやめたものは果たして人間なのだろうか。
上質なSFとしても読み応えありです。
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