向田邦子全集〈1〉小説1 思い出トランプ
向田 邦子 (著)
登録情報
単行本: 215ページ
出版社: 文藝春秋; 新版 (2009/04)
ISBN-10: 4166416804
ISBN-13: 978-4166416806
発売日: 2009/04
商品パッケージの寸法: 19 x 13 x 2 cm
内容(「BOOK」データベースより)
直木賞受賞作をふくむ傑作短篇集。小説13篇を収録。
(Amazonより
何かの本を読んでいたら「向田邦子の某話が特に素晴らしい」とあり
それを読んでみたいと調べたらこの本に収められてるということがわかった。
本のタイトルのみをメモ、話のタイトルを書かなかった。
さて、手元に本が届いた。
はてどの話のことだろう?
13話すべて読めばいいと気楽に読み始めたのだが、実におそろしい本だった。
主に登場人物は中年の男女。時々50代後半。初老にはまだ早い。
そんな人々が多くて4人程度。
淡々と話はすすむが、なんというか、グレーなのだ。
すっきりした気持ちのよい晴れはない。どんよりしている。
そこはかとない日常にひそむ不安というのだろうか
いまお隣さんでこれがおきていてもおかしくはない妙なリアリティーがある。
それは事件ではなく、ちょっとした気持ちのすれ違いというものだ。
さらに恐ろしいのは著者が未婚でこの中年男女の疲れ切った空気を書いている。
写真を拝見すると素敵なお嬢さんで、どうしてここまで生々しくかけたのだろうかと思う。
脚本家で、書かれたホームドラマは
生まれた家の父の厳格さが反映したものだろうと想像がつく。
人間はいつもニコニコしていたとしても、人に言えないことや思いを抱えている。
好きな人と結婚して一緒にいたとしてもうら寂しい時もある。
そんな誰もが抱える日々の暗部をそのまま転写したような本書だった。
事故で亡くなっていらっしゃらなかったら、もっと素晴らしい作品が生み出されていたのだろうとおもうと残念である。
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