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2014/07/11 (Fri) 11:36

空白を満たしなさい
平野啓一郎  






フォーマット: Kindle版
ファイルサイズ: 585 KB
紙の本の長さ: 498 ページ
出版社: 講談社 (2012/12/17)
販売: 株式会社 講談社
言語: 日本語
ASIN: B00APR9FIQ


内容紹介

世界各地で、死んだ人間が生き返る「復生者」のニュースが報じられていた。
生き返った彼らを、家族は、職場は、受け入れるのか。
土屋徹生は36歳。
3年前に自殺したサラリーマン、復生者の一人だ。
自分は、なぜ死んだのか?
自らの死の理由を追い求める中で、
彼は人が生きる意味、死んでいく意味、そして幸福の意味を知る・・・。
講談社現代新書『私とは何か』と併せて現代日本の切実なテーマに向き合う注目作。


(Amazonより





死んで、生き返りました。
めでたしめでたし。
なのは童話なだけであって。
たぶんこういうことがあったら
その残された家族も本人も単純には受け入れらないと。
荼毘に付いた人が戻る。
本人もなぜ死んだのかわからない。
もしかしたら殺されたとしたら。

 

 

 

徹生が自殺した理由と、佐伯という存在が個人的に納得いかなかった。
これを軸に後半が進むので、きちんと理解してないといわれても仕方ない。
佐伯は最後に何がいいたかったのか。
最後の言葉を信じ、本当に父の生まれ変わりならば
千佳にあのようなことをするのだろうか。
警備員をしていた佐伯と、あの施設にあらわれた佐伯
そして徹生の妄想(?)の中の佐伯。
すべて「分人」ということでいいのだろうか。
そして璃久が自殺した理由、
なんというかうつ(というか病気)を併発していたならすんなり受け入れたのだが
息子と妻のために生きる分人がいた一方で
息子と妻がおもたい、めんどくさいという分人がいたということなのだろうか。

(最近わが子に対して過剰なまでの愛情
些細なことで「うちの子かわいそう!」という親が増えている一方で
たぶんその真逆、
言わないが子供に対してどうしていいかわからない父親もおおいとは思う。
実際そのような人が知人にもいる
そしてその考えは妻には全く理解されてはいない
妻はずっと胎内にて一緒なので愛着もわきやすいだろうけれど
男性が産まれてすぐ全員自分の子供に愛情をもつだろうか)


もし私が彼ならばラストシーンで息子に手は伸ばせない。
納得しても、どこか躊躇した。
それは彼の強さなのだと思う。

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