透明な迷宮
平野 啓一郎
登録情報
単行本: 209ページ
出版社: 新潮社 (2014/6/30)
言語: 日本語
ISBN-10: 4104260096
ISBN-13: 978-4104260096
発売日: 2014/6/30
商品パッケージの寸法: 19.4 x 13 x 2.4 cm
内容紹介
「僕たちの運命は、どうしてこんなに切なく擦れ違ってしまうのだろう──」
深夜のブダペストで、堕落した富豪たちに衣服を奪われ、監禁されてしまった日本人カップル。
「ここで、見物人たちの目の前で、愛し合え──」
あの夜の屈辱を復 讐に変えるために、
悲劇を共有し真に愛し合うようになった二人が彷徨い込んでしまった果てしない迷宮とは?
美しく官能的な悲劇を描く最新小説集。
(Amazonより
短編6作品から成る本書。
前作「空白を満たしなさい」で「分人」という考え方に
少し救われた気がした。
今回の本タイトルに「迷宮」とあるように、すべての話がどこか奇妙で
話の中に入り込んでしまっているようなそんな雰囲気がある。
特殊な能力をもつk、俺を捜し続ける男、
ある事件後見物人たちのまなざしを絶えず感じ続ける、
そして伸び縮みする時間。
悩み続ける男たちの中で一種異様な家族の物語。
どこかテンポのずれた長女と姪っ子のコンビは二時間ドラマをみているような気分になる。
ずべてがどこかガラス張りの内側を見ているような。
本を読む行為というのはたいていその登場人物に寄り添い、時に共感するのだが
これはどこか遠くで行われているそれらを眺めている、そんな本だった。
個人的には「Re;依田氏からの依頼」が興味深い。
依田氏の夫人はどうして夫人でいるのか?
氏はほんとうは病気ではないのだろうか?
様々な疑問が浮かび、最後の台詞さえも疑ってみてしまう。
何が本当なんだろうか?
私が見たものは本当なんだろうか。
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