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2014/09/11 (Thu) 21:34

マタギ 矛盾なき労働と食文化
田中康弘   (著)






単行本(ソフトカバー): 175ページ
出版社: エイ出版社 (2009/3/25)
ISBN-10: 4777913120
ISBN-13: 978-4777913121
発売日: 2009/3/25
商品パッケージの寸法:  21 x 15 x 1.8 cm



商品の説明


著者からのコメント

マタギは何故熊を撃つのか?
食べるためである。
マタギは何故熊を食べるのか?
生きるためである。

雪深い北東北の山中がマタギ発祥の地。
住むに不便極まりないと思われがちな山里。

しかしこの地は江戸時代の飢饉にも餓死者を出さなかった。
それは何故か?

マタギ、山の民の知恵があったから。
深い広葉樹の森から自由に食べ物を取り出せたから。

何もかもを世界中から持ってくるグローバルな経済社会の対局がマタギの暮らしだった。

閉じた空間は小さな地球そのものである。
だからマタギは地域を守った。
それが自分達を守る事につながるから。

本書では古のマタギは出てこない。
今現在息をしているマタギ達の記録である。

熊を追い、撃ち、解体して食べる。
それは単に肉を得る行為ではない。

マタギの共同体を維持するために必要な儀式である。
それがあって厳しい自然環境の中で生き抜く結束が生まれる。

集団が維持できてこそ様々な技術も伝承される。
山菜、キノコ、多様な川魚の捕り方。

生きる力、知恵を守り伝えてこそ地域は生き残れるのだ。
熊やウサギを食べるのは何もカロリーの為だけではなかった。

マタギは今消えようとしている。
マタギの里からマタギが消える日はそう遠くない。

 

Amazonより




熊嵐
熊撃ち
クマにあったらどうするの?
に続きマタギ。
ただし今回は今までの三冊と違って舞台は本州。
秋田県阿仁町(あにまち)
マタギ本人ではなく、マタギに魅せられたカメラマン目線だ。
ほかの本同様に思ったのは、もうこの仕事は数年後にはなくなってしまうということ。
自然豊かだからこそできる仕事。
幼いころから教えてくれる人がいて、口頭伝承があったからこそ続いてきたもの。
マタギは狩猟専門ではない。
山で猟もするし、川で漁もするのをはじめて知った。
(猟、漁ともに「りょう」なのも興味深い)
自然に山に川に神に感謝して
そして採れたことに感謝する。
いのちに感謝するのは、どの場所でも同じ。
アイヌもマタギも、基本的な部分は同じでなんだかほっとした。
そしてこの本の最大の魅力というか
びっくりなのは
クマ(ツキノワグマ)解体が説明とカラー写真で載ってるということ!
しかもかなり冒頭部分にもってくるという大胆さ。
いやあ本当にびっくりした。
これから読む内容は、こういうもんだぞ!というパンチ。
本当に貴重な本だと思う。

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